デジカメの「メガ・ピクセル」神話

デジカメの宣伝文句には、いつも、巨大なメガピクセル(画素数)が宣伝文句になっています。
カメラの値段も数字が大きいほど高くなります。
この画素数が大きいほど良いカメラなのでしょうか?

 


1.画素数の「画素」ってなんだ?

(復習)
デジカメでは、レンズから入ったイメージは、CCDという受光素子に感知され、
ADコンバーターを通じてデジタル信号化され、イメージ・プロセッサーで
カラーの画像として組み立てられて、一時的にDRAMというメモリーに
保存され、圧縮されてからメディアに保存される、という説明をしました

デジカメの基本の説明で使った図をもう一度出します。


これがフィルムカメラでいうフィルムにあたる部分で、外から入ってきた画像がレンズを通して
始めて察知され、その光の強弱がデジタル信号に代えられる、という事でしたね。
何万画素、という宣伝文句の画素とは、CCDに乗っている受光素子の数の事です。

 

2.なんで受光素子が多いと良いのか?
この受光素子が多いということは、より細かい多くの情報を記録できると言うことです。
極端に言えば、受光素子がCCDの上に1個と100個では、100個の方がより多くの情報を得られるこは
明白です。つまり、一般論として、受光素子が多ければ、高画質を再生できる、という事です。
これが、メガ・ピクセル神話の始まりです。

そこから、各社は、いっせいにより多くの受光素子を一枚のCCDに乗せるという
競争になりました。とくに2001年から2003年は一挙に1万から2万、そして4万、6万画素
というしのぎを削る競争となったのです。

さて、それでは、400万画素のカメラは、200万画素のカメラの2倍も「良い」のでしょうか?


3.画素数と画質の関係
−1.画素数が多い、という事は、一枚のCCDに乗っている受光素子の数が多い、という事でした。
同じ大きさのCCDにより多くのCCDを乗せる為には、ひとつづつの受光素子を小さくする以外に
方法はありません。400万画素の受光素子は、 200万画素の半分の大きさしかありません。

ところが、受光素子を小さくすると、ひとつづつの受光素子の感度は弱くなり、性能は落ちてきます。
まして、それぞれの受光素子は、別々の色を割り当てられているので、単に入ってくる光が少なくなり
感度が落ちるだけでなく、色の構成の時に、より多くのノイズが入り込むことになります。
あれ、そうすると、画素数が多くなると画像の品質が落ちてくることになります。

そうすると、あるところまでの受光素子の数は必要だが、必要以上に多くなると、各受光素子が
あまりにも小さくなりすぎて、画像は逆に悪くなる
、という事が分かります。
   (余談: 画質の劣化にも係わらずどうして各メーカーは、高メガピクセルを急いだのでしょうか?
        それは、価格競争、コストダウンのためです。
        実は半導体製品のコストは1枚のシリコンウエハーの歩留まり、つまり、
        その中から何個の半導体製品が製品化できるかが、コストに反映する。
        したがって一枚のシリコンウエハーからたくさん採れるようにするためには、
        CCDのサイズを小さくする必要があり、小さなサイズのCCDに同数の受光素子を
        のせるためには 高メガピクセルの技術が必須だったのだ。
        いかにも高画質のためには、高メガピクセル! という宣伝文句だが、その実態は、
        コストダウンのための戦略が潜んでいた)。

細かい計算は省いて、また、CCDの大きさ、その他の要素を同じとすると、4x6や2Lサイズ、
また、時々8x10くらいの 写真をプリントするつもりであれば、4メガピクセルもあれば十分です。
それ以上のピクセルはむしろ 邪魔なくらいなのです。

たとえば、最近のカメラのセールのうたい文句につられて画素数が巨大になりますと、
1. E−mailできない
2.保存に大きなメディアが必要になる。
3.オンラインで写真を注文するのに、時間が掛かる。
4.そもそも、普通の大きさのプリントするには、不要な情報が多すぎるので、プリント時にこれを
圧縮します。
そうすると、かえって最初から適切な大きなファイルよりも、画質が悪い、という事になります。
プリントに関してはなんでも大きければ良い、という事はありません。

4.CMOS/CCD自体の大きさと受光素子数の関係
実は、CCDの上の受光素子の数、という場合、そのCCDの大きさ自体も考慮しないと
いけないのです。もし、200万画素と400万画素が同じ大きさの受光素子で、乗っている
CCDが2倍の大きさであれば、これは、問題なく400万画素の方が優れています。
以下の図はデジカメに使われているCCDの多さを比較したものです。



ここでみてもわかるが、実際のCCDというのは、とても小さなもので、 このCCDのサイズは1/2インチとか
1/1.8インチとか表示されている。このサイズは対角線の長さで、おまけに1インチは対角線なので、
2.54cmではなく 1.6cmまたは1.8cmで換算されるため、実際のサイズはとても小さい。
1/1.8インチ300万画素のCCDは約6mmx8mmて゛小指のツメの半分ぐらいしかない。
これを300万個以上に分割して、尚かつそれぞれ1画素に1個のカラーフィルターと
集光用マイクロレンズが付いているという、とてつもないシロモノですね。

このCCDはフィルムのように多層化はできないし、CCDそのものは色も判別できない。
CCDの前についている各色のフィルターを通し、 そのフィルターを通過した色の光量を測定するわけで、
そこから写真の様な画像を作り出すのだから、ものすごいことをやっている、ともいえますね。


さて、同じCCDの大きさなら400万画素以上は不要と言ったが、
CCD自体が3倍も大きいのなら、600万画素あることは、すばらしい画像を
約束することになる。
デジタル一眼レフカメラが大きなCCDを搭載し、6メガピクセルなどという場合、
これは本当に高画質なわけです(それでもフィルムの2/3程の大きさなのですが)。
逆に携帯電話カメラの画素数がいくら増えても、一向に画質があがらないのは
CCDがまだ、あまりにも小さすぎるからですが、これは改良されていくでしょう。

 

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